小林真由美さん

大阪外国語大学2007年卒  宮岡ゼミ4期生

大学を卒業後、慶應ロースクールに進学

現在、横浜地裁で裁判官として勤務

 

1. 宮岡ゼミを選んだ理由をお聞かせ下さい

 

宮岡先生の講義を受講していたのですが、先生のお話が論理的でとても理解しやすかったこと、また私自身、安全保障や平和構築という分野に興味があったため、国際政治理論を中心に扱っている宮岡ゼミを選びました。

 

2. 宮岡ゼミの魅力は何ですか?

 

 宮岡先生のご指導が厳しくも丁寧であることです。先生は学生に本気で接して下さるので、時に要求水準が高いこともありました。時には、課題が大変だと思ったこともありますが、それらにきちんと取り組むことで、1つ1つが糧となり、自分の力を伸ばすことができたと思います。 また、卒業後どのような仕事に就いたとしても、膨大なタスクを課せられることはあり得ることです。例えば、上司から「明日までにこの資料を読んできなさい」と言われたとしても、宮岡ゼミで、難解な英文の論文などを読んだ経験が自信となり、「あの時もできたから、今回も大丈夫。」と余裕を持って対処することができると思います。

 また、先生の期待に応えようとする学生が集まるのが宮岡ゼミだと思います。だからこそ、ゼミ生同士で真剣に議論をすることができ、その分得るものも大きいことが魅力ではないでしょうか。向上心を持った仲間と共に、クリティカルシンキングという物の考え方を念頭に置いて議 論をした経験は、現在、裁判官として仕事をしている中でも、判例を比較検討したり、個々の事件処理に当たって、他の裁判官と合議をする際にも生かされています。

 最後に、大学院への進学を考えている方にも、宮岡ゼミはオススメです。宮岡先生は先行研究の扱い方や論文の読み方などを丁寧に教えて下さいます。これらは大学院に行くと必ず身につけなければならないことです。宮岡ゼミであれば、学部生の内にその下地を作ることができるのも魅力の1つだと思います。

 

3. 現在のお仕事とゼミでの勉強に共通点はありますか?

 

 物事を批判的に見ていく、いわゆるクリティカルシンキングを要するという点で同じだと思います。私は裁判官ですから、事件で何が起きたのかを特定するために、検察官や弁護人の主張に触れ、様々な証拠を見ます。その過程では、検察官や弁護人の主張を、客観的な証拠に照らして 吟味して、批判的に事件を捉えていきます。このような考え方は、ゼミで国際政治理論を学んだと きと同じです。学生の多くの方が、「国際政治理論は就職したら何の意味も持たない学問だ」と 思っているかもしれませんが、私はそうは思いません。私は裁判官しか経験していませんが、きっと様々なフィールドで、宮岡ゼミで学んだことを生かすことができると思います。

 また、裁判官としてのキャリアと国際政治との関係について、少し個人的な話をさせていただくと、私の目標である平和構築活動の世界において、裁判官として の職務経験を生かせると考え ています。平和構築とは、内戦などの混乱を経験し、国家基盤を失ってしまった国を再建するというものですが、私は、将来的にその支援に携わりたいと思っています。平和構築には様々な分 野からのアプローチができ、PKO、開発経済、医療、教育などが代表例ですが、私は法整備という分野での支援を目指して裁判官という職を選びました。例えば、モンゴルでは、資本主義経済に移行後、土地法を制定し、所有権の概念を導入したものの、元来遊牧民族のモンゴル人には、 定住して土地を管理するということが理解されにくく、いろんな歪ができています。日本は、モン ゴルにおける民事調停法の導入を支援しましたが、このような法整備に携わるのは主として法律家ですから、国際政治まで学んでいる人は多くありません。その点、私は国際政治を学んでおり、 途上国の法整備支援に携わる際に、法律家の道一筋で来た人たちとは異なる強みを発揮できるのではないかと考えています。

 

4. 宮岡ゼミへの入ゼミを検討している方に何かあればお願いします

 

 残りの大学生活の中で、本気で勉強や議論を行いたいと思う人には、是非入ゼミを検討して欲しいです。きっと卒業後に大きなものを得られるはずです。